「ヒアルロン酸注射を受けたけど、想像していた仕上がりにならなかった」などという場合、実際に施術を受けたクリニックとは別にクリニックで修正をする「他院修正」という方法があります。
しかし、他院修正は高度な技術が必要になるため、予め他院修正について理解を深めておくことが大切です。
この記事では医師の寺井 美佐栄 先生にご監修いただき、他院修正についてや他院修正の症例や知っておきたい注意点について詳しく解説します。他院修正を検討している方はぜひ最後まで確認し、参考にしてみてください。
監修者
ミサクリニック六本木本院
医師 寺井 美佐栄 先生
複数の大手美容皮膚科での院長経験を経て、満を辞して2022年9月にミサクリニック六本木本院を開業。
メスを使わずに「ナチュラルなキレイ」を引き出す技術に定評がある寺井先生。「メスを使わない美容施術、必見！！Dr.みさえの素敵になり隊」というYouTubeで美容医療に関する情報を毎週配信しています。
◆当コラムの掲載記事に関するご注意点
※本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
他院修正とは？
「他院修正」とは、美容医療を受けたけれど仕上がりに満足できなかった場合、他のクリニックで修正する施術のことです。施術を行ったクリニックに対して信頼が失われてしまうと、同じクリニックで修正を受けることに不安を感じるため、別のクリニックで修正する施術を選ぶ方法があります。
他院修正が行われる理由としては、初診医での診断や治療の効果が不十分だった場合や、治療方針に納得がいかない場合などがあります。
美容医療が身近になるとともに、美容医療の仕上がりに満足できず、他院修正を受けたいというニーズも増えています。
しかし、他院修正は通常の美容医療に比べて難易度が高く、高度な技術を必要とするためリスクを伴うこともあり、すべてのクリニックでできるわけではありません。修正を行うクリニックを選ぶ際は、豊富な症例数による経験値が求められます。
他院修正が可能な症例は？
他院修正は二重整形などの手術だけでなく、下記のような症例でも起こる場合があります。
・ヒアルロン酸注射...ヒアルロン酸の量の入れすぎ。理想と違う部位に注入されてしまったなど。
・ボトックス注射...エラに打たれてすごくコケてしまった。口角を上げたかったのに口が動かなくなってしまったなど。
・ハイフ...頬がこけ過ぎてしまったなど。
・レーザー...予想以上に傷が深くなってしまったなど。
症例によって他院修正が可能な場合とそうでない場合があります。また、クリニックによっても対応できる症例が異なることもあります。いくつかのクリニックで症状を相談し、施術可能かカウンセリングを受けましょう。
他院修正を受ける前の3つの注意点
他院修正を受ける際に、知っておきたい注意点があります。修正方法が適切でなかったり、新たな問題が発生する可能性もあるため、クリニックを選ぶ際には慎重に判断する必要があります。満足のいく仕上がりになるように、それぞれ詳しく確認していきましょう。
寺井先生のYouTubeでも他院修正外来について詳しく解説しているので、ぜひ併せて確認してみてください。
修正できないケースもある
美容医療や美容整形の修正には専門的な技術が求められます。そのため、他院で受けた施術のすべてを修正できるわけではありません。修正施術を行っても、完全に修正することが難しいケースや、希望通りの仕上がりにはならないこともあります。
可能な限り理想に近い仕上がりになるように、カウンセリング時に医師から正確な情報や説明を受けましょう。まずはカウンセリングを受け、修正手術が可能かどうか判断してもらうことをおすすめします。
他院修正は術後3〜6カ月は待つ必要がある
他院修正を受けるタイミングは、最初の施術を受けたときのダウンタイム中は避けましょう。ダウンタイム期間はまだ肌状態が不安定であり、赤みや腫れ、内出血がある状態だと正常な判断ができません。なかには1日も早く修正を受けたいという場合もあるかもしれませんが、ダウンタイムが落ち着いてから出ないと完全に状態を把握できません。
また、時間の経過とともに症状が改善することも多くあります。ダウンタイムを待てずに修正施術をすることで不要な治療をしてしまったり、必要以上に肌や身体に負担をかけてしまう可能性もあります。
受けた施術の種類にもよりますが、基本的には最低3カ月は期間を開けて修正施術を受けましょう。どうしても気になる方はダウンタイム中でもカウンセリングは可能です。
当時の施術内容を詳しく伝える
他院修正のカウンセリングでは、受けた美容医療・整形の術式などの詳細を伝えることが大切です。できる限り当時の施術内容を思い出し、詳しく伝えましょう。
初診医から手術記録やカルテを取り寄せることも可能です。手術記録には施術の手順、要点などが記録されているため、とくに他院で修正手術を受ける際は手術記録があると適切な施術選択につながります。
他院修正にならないように気をつけるべきこと
そもそも、他院修正にならないようにするためにはどのようなことに気をつけると良いのでしょうか。注意点を3つ詳しく解説します。
カウンセリングが丁寧なクリニックを選ぶ
他院修正が必要になる原因の多くは、カウンセリングでのヒアリングが不十分だったことが挙げられます。他院修正を行うには、過去の治療経過や診断結果などの正確な情報が必要です。
カウンセリング時に悩みや現状をしっかり聞いてもらえて、納得できる説明をしてもらえるかが重要です。そのため、自分の希望や要望をあらかじめまとめておくことをおすすめします。
医師だけが一方的に説明するクリニックや、カウンセリングに時間をかけないクリニックは避けましょう。丁寧なカウンセリングをしてもらえるクリニックを選ぶと、患者と医療スタッフとのコミュニケーションがスムーズになり、治療の成功につながる可能性が高まります。最善の方法を提案してもらえるクリニックが理想です。理想とする仕上がりを実現できるのかは医師との対話が不可欠なため、適切な治療選択をサポートしてもらえるようなクリニックを選んでいきましょう。
症例数が豊富なクリニックを選ぶ
他院修正では過去の治療経験を踏まえた上で、経験豊富な医師による判断が重要です。
症例数が豊富なクリニックは、多くの患者を診察してきた経験があります。そのため、幅広い疾患や治療に対する専門知識を持っている可能性が高く、他院修正によるさまざまなケースにも対応できる可能性があります。
また、症例数が豊富なクリニックは多くのケースを経験しているため、リスクをより的確に把握できるという特徴もあります。
クリニックの口コミがネットに掲載されている場合も多いので、過去の症例や実際に受けた方の感想などもあらかじめ確認しておきましょう。施術料金の安さで決めるのではなく、信頼性で決めることが重要です。
アフターフォローや保証制度をチェックする
万が一施術の仕上がりに満足できなかった場合、どのような対応をしてもらうことができるのかも確認しておきましょう。
保証についてホームページなどに掲載されていない場合は必ずカウンセリング時に相談し、過去にどのような事例があったのかも把握しておくと安心です。アフターフォローや保証制度が明確なクリニックでは、治療後も安心してクリニックに相談することができます。
もしものときでも慌てずに対応できるように把握しておくことが大切です。
他院修正で理想的な仕上がりに近づこう
他院修正は医療機関で治療を受けた後に、別の医療機関に再度かかり直すことを指します。
通常の美容施術に比べて他院修正は高いスキルを必要とするため、クリニックによっては他院修正を断られてしまうケースもあります。
信頼できる医師に出会えるよう、実績が豊富なクリニックを選んでいくことが大切です。他院修正を受ける前に、現状の悩みや希望を明確に伝えられるよう、事前に自分の考えをまとめておくと良いでしょう。修正手術を検討している方は、クリニック・医師選びを慎重に行ってください。
