肌のキメを整え、毛穴の開きを小さくする｢グリシルグリシン｣
イチゴ鼻や毛穴の開きやすい方、すり鉢状の毛穴で悩んでいる方に注目されているグリシルグリシン。毛穴に溜まっている皮脂による炎症化を抑え、毛穴を小さく見せる効果があります。化粧水・美容液に含まれている成分ですが、イオン導入によって、より多く取り込むことも可能です。
さらに、グリシルグリシンには毛穴の収斂作用や保湿効果もあり、キメの整った肌に導きます。毛穴の開きや肌の凹凸に悩む方に、グリシルグリシンが配合されている化粧品とその効果について解説します。
グリシルグリシンとは
グリシルグリシンは、グリシンというアミノ酸が2つ結合された成分で、肌の角質層に存在するペプチドの一つです。カニや魚介類などにも含まれる身近な物質で、毛穴の収縮作用や保湿、抗炎症作用や肌の表面のイオンバランスを保つ効果があります。毛穴の引き締め効果に着目して配合されている化粧品が増えました。また、イオン導入によるニキビ治療にも取り入れられています。
毛穴が開く仕組み
毛穴が開く原因は、毛穴の中の皮脂に溜まる不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は皮脂に含まれ、毛穴に溜まった皮脂の中で不飽和脂肪酸が酸化し、炎症を起こします。さらに、毛穴の中で酸化した皮脂はアクネ菌が繁殖しやすい環境なのでニキビの原因にもなります。特に鼻の周りは毛穴が多く、皮脂の分泌が活発なところです。そのため、排出しきれなかった皮脂が溜まり、酸化すると角栓になって毛穴が開いた状態になるのです。
すり鉢状の目立つ毛穴はなぜできる？
本来、肌は基底層にできた角層が押し上げられ、角化してはがれ落ちるというサイクルがあります。この肌サイクルが「ターンオーバー」です。しかし、皮脂の分泌が多く、表皮近くでターンオーバーが乱れると角化異常が起こり、毛穴の皮脂が溜まった状態になります。詰まった皮脂はやがて酸化を起こし、固まって角栓となり毛穴を広げます。この状態が続くと、広がった毛穴が影を作り、すり鉢状の広がった毛穴に見えるのです。
グリシルグリシンのスキンケア効果
すり鉢状になり、大きく開いた毛穴を引き締め、滑らかな肌に導きます。グリシルグリシンにはまた、毛穴に溜まった皮脂が炎症を起こさないようにする作用やイオンバランスの乱れを整える効果があります。ここでは2つのスキンケア効果について詳しく紹介します。
抗炎症作用
グリシルグリシンは抗炎症作用により、毛穴の炎症を防ぎ、肌トラブルを改善に導きます。毛穴に溜まった皮脂は、不飽和脂肪酸がアクネ菌を増殖させて炎症を引き起こします。これがニキビの原因です。またグリシルグリシンの収斂作用によって毛穴自体が小さくなるため、毛穴に不要な皮脂が溜まるのを防いでくれます。
イオンバランスを整えてキメの整った潤いのある肌へ導く
キメの整った潤いのある肌はマイナスのイオンに傾いています。しかし、肌表面に不飽和脂肪酸が溜まるとイオンバランスが崩れ、エラスチンやコラーゲンの生成が妨げられます。そのために肌のハリが失われ、表面の滑らかさがなくなるのです。
グリシルグリシンは肌表面のイオンの乱れを整えて、エラスチンやコラーゲンが生成されやすい環境を整えます。グリシルグリシンによって凸凹の目立たない、キメの整った滑らかな陶器肌を目指すことが可能です。
グリシルグリシンを使ってみる
グリシルグリシンを使ってみましょう。化粧品や美容クリニックでイオン導入することができます。化粧品は成分が6％配合の製品を選ぶのがおすすめです。美容クリニックや皮膚科ではニキビ痕やイチゴ鼻の治療にグリシルグリシンのイオン導入が行われています。
化粧品
グリシルグリシンは、美容液やクリームに配合されているのが一般的です。さっぱりとした使い心地が特徴で、拭き取らず、肌に馴染ませて使います。効果を感じやすいのは、グリシルグリシンが6％配合されている製品だと言われています。洗顔後に、化粧水で肌を整えた後、グリシルグリルシンを手に取り、パッティングしてください。お手持ちの化粧水や美容液に数滴足して使用することもできます。
イオン導入
美容クリニックや皮膚科では、イオン導入による治療が行われています。化粧水だけだと、成分は角層で吸収されてしまいます。しかし、イオン導入することによってより肌の奥深いところまで効率的に有効成分を取り込むことが可能です。
ニキビ治療においては特に、グリシルグリシンを導入することでより効果的に治療を行うことができます。肌のイオンバランスを整え、毛穴の角化異常を正常に戻すため、欠かせない成分です。一度では、大きな改善は感じられませんが、継続的な施術によって徐々に効果を感じられるようになります。
イオン導入 肌のツヤを整えるために
どれぐらいから効果がわかる？
化粧品で2ヵ月ほど、クリニックでの治療では2週間に1度の施術で5〜10回程度がおおよその目安です。個人差もありますが、グリシルグリシンは化粧品の調整剤として配合されているほど肌にはマイルドな成分です。すぐには効果が感じられないかもしれませんが、継続使用によって効果を感じられるようになります。
グリシルグリシンの危険性はない？
グリシルグリシンはアミノ酸の一種で、エビやホタテなどの魚介類やコラーゲンに配合されている成分なので、ほぼ危険はないと言えます。ただし、成分の相性には個人差があります。敏感肌の方やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患のある方、またアレルギー体質の方は、使用できるかどうかを医師に相談してください。
まとめ
グリシルグリシンは、抗炎症作用と毛穴の収斂効果があり、すり鉢状の毛穴やイチゴ鼻の改善に有効です。毛穴の皮脂の詰まりは肌のターンオーバーのサイクルが乱れることで起こります。毛穴に溜まる皮脂の中の不飽和脂肪酸によって炎症化し、やがて毛穴の黒ずみや毛穴の開きが目立つようになります。
一般的な化粧品にもよく使用されていますが、開いたすり鉢状の毛穴の改善を目指すなら美容クリニックでのイオン導入が効果的です。即効性はありませんが、継続的な使用で効果を感じられるようになります。毛穴の開きに悩む方はグリシルグリシンを試してみてはいかがでしょうか。
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