私が化粧品を最初に開発した時期は20世紀の終わり、敏感肌向けの「無添加化粧品」が流行しかけた頃でした。
化粧品による肌トラブルがまだ多かった時期です。刺激になるような成分は使わないというコンセプトのもと、無添加化粧品の認知は一気に拡がりました。
しかし「無添加化粧品では本当に必要な成分も配合量が少なくなっているのではないか」と考え「肌に必要な成分を存分に配合した化粧品を出そう」との思いから『ドクタートキコ』シリーズを開発したのです。当時のコンセプトは同一の成分を配合したラインを作るのではなく、水溶性の機能性成分は化粧水に・油溶性の機能性成分はクリームに配合するといったトータルバランスを考えたラインを作る事でした。

20年余り経ち、市場の化粧品はかなり安全性が高くなりました。今クリニックで展開する化粧品に求められていることは、治療の一環・根治療法を目的とした製品であると私は思います。例えば、ニキビの治療にはケミカルピーリングを行うことがクリニックでは一般的ですが、肌が弱くてピーリングを行えない患者さんがいます。
また、一度治療しても数か月経った頃にまたニキビに悩まされる患者さんもいます。もし化粧品による日常のスキンケアでニキビになりにくい肌の土台作りができたら、患者さんの悩みが一つ減ります。私が今目指している化粧品は肌トラブルを無くすための土台作り、そのような処方です。

『スキンターゲット』はこのようなコンセプトに基づいて作りました。現在スキンターゲットではクリームとセラムの2種類を展開しています。